長谷川 優
Yu Hasegawa
【PROFILE】
医療法人IMSグループの看護専門学校を卒業後、同グループの急性期・脳外科総合病棟で経験を積む。その後、地域密着型施設や介護老人保健施設などに転職。また派遣看護師として沖縄離島の環境で身をおき、島の医療現場で戦力となる。海外ボランティア活動、災害応援ナースも経験。現在は在宅看護をしながら『合同会社YOU』の代表を務める。
【看護師をめざしたきっかけ】
父が医療従事者の方々と接する仕事をしていたことや、高校時代に見た医療ドラマがきっかけで看護師という職業に興味を持ちました。高校の職業体験に参加し、白衣を着て医師や看護師の仕事を間近にし、患者様とお話をし「楽しい!」と思ったのが大きいですね。将来的には手に職もつけられますし、体について学べることも面白かったので、そのまま看護師の道を志すようになりました。そして、 高校卒業後は看護専門学校へ。今振り返っても専門学校時代は大変でしたね。命の現場で患者様に寄り添ってお世話をするので、指導者からはとても厳しく教えられました。しかし、お陰でしっかりと学べ大切な学生時代でした。
【新人看護師の経験】
看護学校卒業後は、三次救急の総合病院へ入職し、急性期・脳外科病棟で看護師生活をスタート。教育を担当してくださったプリセプターの先輩は、とても厳しく、とてもかっこいい、憧れの存在でしたね。 当時その先輩に教えていただいたことが、今でも現場や人間関係の構築で活かされています。例えば、患者様から「やってほしい」というご要望をいただいた時に、その方にとってより精神的・身体的に重要なケアは何かをご要望と合わせて考え、きちんと寄り添ってご説明をします。そして、ご理解いただいた上で、優先順位をつけてケアに取り組むを教えていただき、看護師としての基礎力を身につけることができました。
【島の医療や海外ボランティアについて】
患者様や高齢者、様々な世代の人と接する中で、多くの学びを得て自分のこれからを見つめなおすようになりました。違う世界を見てみたいと強く思うようになり、当時「孤島医療を助けるプロジェクトの応援ナース」に参加、沖縄の現場で勤務を始めました。孤島の医療、島の人柄に刺激を受け、今までの看護の経験を発揮しやりがいのある時間を過ごすことができました。全国から集まった看護師仲間もでき、海外へ行った経験のある看護師さんもいて、私も何か出来る事がしたいと海外ボランティアの一員として半年間インドのコルカタへ飛びました。ストリートチルドレンのいる街や死を待つだけの病院や施設などに訪問させていただいました。日本とは異なる医療環境、様々な宗教や生活文化のある人達とのふれ合い、子供たちの瞳がキラキラしていたりと印象深く、貴重な時間を過ごせました。
【帰国後、訪問看護師の道へ】
帰国後は、都心の医療現場にはいり戦力として就きました。沖縄や海外での経験が生かされて、フットワークが軽く柔軟に看護やケアができました。その後、友人を手伝うきっかけで在宅看護の道へ。自宅で療養している方のところへ訪問する看護師として、一人一人に寄り添い、病気や障害とどう向き合い「その人らしい生活ができるか」を一緒に考えて看護をしていきました。その方と関わりながら信頼関係を構築していくことが楽しく、やりがいになっています。さらなる自己成長と挑戦の為、経営に興味をもち新しい事業をつりたいと強く考え、2019年12月に介護現場で働く外国人の学生を育成する『合同会社YOU』を立ち上げたのです。
【今後の展望について】
現地ミャンマーで、日本の介護現場で働きたい学生さん向けて授業を行っていました。日本では当たり前の介護技術が、ミャンマーの人にとっては初めて見る事や知ることが多く、間違った技術で介護している様子もありました。自分の学んだ事や経験を伝えたい、現役の医療職だからできる事の「生きた教育」をしたいと思っています。日本の介護の現場は、人材不足で社会問題となっています。そこで外国人の方が活躍すれば、現場もより良い環境になります。また、「お婆ちゃんの知恵袋」という言葉が大好きで、高齢者の皆さんは人生の大先輩だと思います。老若男女問わず、皆で交流する場を提供できる環境がつくれたらいいですね。そして、これからも看護師として成長し、経験を積んでいきたいと思います。